4月9日(火)、東京芸術劇場 シアターイーストにて『Le Fils 息子』が開幕いたしました。
初日に先駆けて行われた囲み取材で岡本圭人、若村麻由美、岡本健一、演出のラディスラス・ショラーが意気込みを語りました。
岡本圭人
3年ぶりの再演となりますが、この『Le Fils 息子』は多くの方々に届けるべき作品だと思いますし、この物語はたくさんの方々に知っていただきたいです。またこうして再演という形でお客様に届けることができて嬉しいです。今回は『Le Fils 息子』と『La Mère 母』を同時上演となるので、とにかく頑張るしかない!という気持ちです。
3年前は自分の初舞台だったのですが、そこからいろんな舞台を経験させていただいたので、またニコラを演じさせていただくのは原点に戻ったような気持ちです。今回は『母』と『息子』の同時上演ということもあり、『息子』の稽古をしながら『母』の稽古をしていたので、『母』をやっていくうちに『息子』のニコラも成長していく相乗効果のようなものを稽古場では感じていました。だから『Le Fils 息子』だけでなく、『La Mère 母』を観劇することによって『Le Fils 息子』の解釈や感じ方、考え方が変わると思いますので、ぜひ両作品とも観ていただきたいです。
この作品は自分の初舞台作品なので特別な思いがあり、今回の稽古が始まる前は「この三年間で成長した姿をカンパニーのみんなに見せたい」と思っていたのですが、実際に稽古が始まったらそんな余裕はなくて、とにかくお客様に見せたい!という思いを強く感じました。またこの『Le Fils 息子』は、”生きる”か”死ぬ”かがテーマになっているのですが、生きていれば誰でも考えたりすることだと思うので、この作品を通じて、皆さんにも生きることの大切さを知っていただき、考えてもらえたらなと思います。
若村麻由美
4月5日に『La Mère 母』の素晴らしい初日をあけることができてホッとしたばかりで、本日4月9日に『Le Fils 息子』の初日を迎えるので、母の初日を空けたのが夢のような気持になっています。10日にはいよいよ『母』と『息子』の同時上演という初めての経験が待っているので、心臓が飛び出るような緊張感とトキメキを感じられるなんて、とても恵まれた環境にいるんだなと感じています。3年前もすごくいいカンパニーでしたが、3年を経て再会しても、チームワークがよくて、信頼し合える役者、信頼できるスタッフと仕事ができるということが、本当に幸せなことなんだなと実感しています。
『Le Fils 息子』は、生きるということを模索している息子を愛する両親がなんとか助けようとする物語で、『La Mère 母』は、生きる望みを失って、生きている価値がないと感じている母の目線で書かれた物語です。ラッドの演出では、母としてすべてを失った人がもう一度夫婦として生きていく道を見つける、という光を感じて終わる演出になっています。
『Le Père 父』は、人生を終えていく父が認知症を患ってしまい、自分の中にあるものが全て空っぽになっていく姿を描いています。
すべての主人公が何かを喪失していくということを描き、周りの家族も描いたのが「家族三部作」です。
それぞれの家族がどうしていくのかを描かれているので何度観ても見ごたえのある作品になっていると思います。